世界的に有名な物語「西遊記」の序章を描く本作。孫悟空はまだ三蔵法師に出会っておらず、西方への旅も始まる前の、やんちゃでいたずら好きだった頃のお話です。筋斗雲に乗って十万八千里をひとっ飛びし、七十二変化の不思議な術を操る彼は、龍王から如意棒を奪い、その後玉王に任命された天界の馬飼いである弼馬温の役職を勝手に辞任し、自らを斉天大聖と名乗ります。さらに、天宮で桃と丹を盗み食いしたため、八卦炉に捕らえられ焼き殺されそうになったり、玉帝が送り込んだ十万の大軍との対決する羽目のなったりと舞台は大混乱。
短気で暴れん坊、不遜でいたずら好き、しかしユーモラスで可愛らしい一面もある孫悟空。今回の作品では、台湾で著名な俳優、朱陸豪、徐挺芳、秦朗が国立台湾戯曲学院の劇団員と共演し、ダイナミックな立ち回りや素晴らしい唄と演技で観客の皆さんを楽しませます。日本でも馴染み深い孫悟空ですが、彼がいわゆる「孫悟空」になる前の神話の世界のキャラクターたちが、台湾の伝統的な京劇俳優たちの演技とともに、現代の新しい舞台に生き生きと躍動しています。幻想的で魅惑的な舞台を、お子さんからさまざまな世代の大人の皆様へ向けてお届けします。どうぞお楽しみに！
＜チケット販売開始および期間＞
早割先行：７月７日（日）１０:００～
一般発売：9月7日（土）10:00～
ローソンチケット／チケットかながわ＜チケットお取扱＞
ローソンチケット
＜料金＞（全席指定・税込）
武術に秀でていた孫悟空は、海底の東海龍宮に行き、龍王から武器を借りようとする。しかし様々な貴重な武器も孫悟空には合わないようだ。そこで龍王は、禹王が治水の際に使った宝物「定海神針」という、とても重く巨大な柱をわざと悟空に差し出す。すると悟空は呪文を唱えその柱を伸縮自在の如意棒へと変身させて自分の物にしてしまう。さらには甲冑までも要求して受け取ると、満足して筋斗雲に乗って去って行く。
孫悟空と猿たちは花果山の水簾洞に棲みついていた。ある日突然、玉帝の使者である太白金星・李長庚が聖旨を携えて訪ねてくる。曰く、玉帝が弼馬温という官職を特別に孫悟空に授け、天界にいる馬を世話するように命じたという。それを聞いた孫悟空は筋斗雲に乗ると喜び勇んで天界へと向かう。
天界に来た孫悟空。しかし弼馬温というのは天界で最も身分の低い仕事であることを知り機嫌を損ねる。そして自分より位の高い馬王に威張られ、憤慨した孫悟空は大暴れ。天界の仕事を辞めて去っていく。
花果山に戻った孫悟空は自らを大聖者である齊天大聖と名乗ってしまう。ある日、猿たちと遊ぼうとしていた孫悟空のところに、玉帝の使者、太白金星・李長庚が再び訪れる。李長庚は玉皇大帝が齊天大聖という名を認め、天界で開かれる西王母の聖誕の祝宴である「蟠桃会」に招くと孫悟空を騙す。
西王母の誕生日のこと。蟠桃会の宴の支度をする仙女たちに出会った孫悟空は、齊天大聖は蟠桃会の招待客ではなく、李長庚にまた騙されていたことを知る。怒った孫悟空は蟠桃会が行われる瑤池に入り込み、酒と蟠桃を食べ尽くした後、今度は太上老君の部屋へと入り込むと、不良長寿の金丹までもすべて自分の腹に入れてしまう。
天宮を荒らした孫悟空は天兵たちに捕らえられ、太上老君が仙丹を煉るのに使用する八卦炉に閉じ込められた。四十九日間炉の中で火にかけられた孫悟空だったが、灰になるどころか、一眼で妖怪を見抜ける「火眼金睛」の力を持つことになる。そして開いた八卦炉から飛び出し、高笑いをしながら花果山へと帰って行く。
孫悟空のそれまでの行いは天界の怒りを買う。玉帝は塔天王・李靖に八百万の神を呼び出させ、
ナタ、二郎神、巨霊神、青龍、白虎、紅鸞、月孛、九曜、天喜、羅猴らの神々が集まり、
花果山で孫悟空を捕らえようと待ち構えるのだった。
孫悟空はいつの時代も生きています。 「The Monkey King 孫悟空 Episode ZERO」は、孫悟空が三蔵法師との旅に出る前のお話。お調子者でわがまま、向かうところ恐れるものなしの身勝手さ、みなさんも舞台の孫悟空を見て心からわくわくすることでしょう。京劇はユネスコが指定する世界無形文化遺産です。この奥深い芸術が、台湾の地で大きく育つことになりました。プロデューサーとして、この舞台が台湾から世界に飛び出すことを心から楽しみにしています。さまざまなルーツと文化を持つ世界中の観客一人ひとりが、この東洋の伝統芸能の魅力のとりこになりますように。
プロデューサー
トレンドマイクロ創業者・CCO (Chief Culture Officer)
伝統的な京劇のオリエンタルな美をベースにした
俳優のパフォーマンスがより際立つ現代的なデザイン、
照明や映像も駆使し、観客をファンタジックでリアルな物語の世界に誘います。
Singapore Esplanade Theater
2024/11/16 - 11/17
